ホザナ会⑨12使徒

さて、イエスが山に登り、ご自分が望む者たちを呼び寄せられると、彼らはみもとに来た。
イエスは十二人を任命し、彼らを使徒と呼ばれた。それは、彼らをご自分のそばに置くため、また彼らを遣わして宣教をさせ、彼らに悪霊を追い出す権威を持たせるためであった。
こうしてイエスは十二人を任命された。シモンにはペテロという名をつけ、ゼベダイの子ヤコブと、ヤコブの兄弟ヨハネ、この二人にはボアネルゲ、すなわち、雷の子という名をつけられた。
さらに、アンデレ、ピリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルパヨの子ヤコブ、タダイ、熱心党のシモン、イスカリオテのユダを任命された。このユダがイエスを裏切ったのである。
(マルコの福音書3:13~19)

12という数字


今日のところは、12人の任命ですね。12という数字よく出てくると思いませんか。
聖書でも、イスラエルの12部族と今日のところの12使徒ですね。しかし、1年は、12ヶ月だし、干支も12です。星占いも12の星座を元にしています。
ギリシア神話に出てくるオリンポスの神様の12です。1日は、24時間ですが、午前12時間、午後12時間を合わせたものですね。普通は、10進法なのに、なぜ12というような半端な数字が世界中で遣われているのでしょうか。
1分は、60秒。1時間は、60分。60進法ですね。60は、12×5です。
還暦は、60歳。それで暦が一回りするという意味になります。
12は、約数が多いので、使いやすいのかも知れません。1,2,3,4,6で割り切れます。

話は変わりますが、完全数というのをご存じですか。
約数を全部足すと元の数になるというものです。6の約数は、3,2,1これを足すと6になります。その2倍が12ですね。

イスラエル旅行の前の勉強会で、数字に意味があり、
3は神に関する数。
4は、人間の数と言うことを聞きました。
3かける4は、12.3+4は7。それで12とか7とかがよく出てくるんだとか。詳しいことはよくわかりませんが。しかし、西洋、東洋問わず同じ数字がよく使われていると言うことは、面白いことだと思いませんか。

使徒


ちょっと脱線してしまいました。聖書に戻りたいと思います。イエス様は、12人を使徒とよばれたとあります。使徒とは、遣わされたものと言う意味があるそうです。特別な任務を受けて遣わされたものですね。イエス様は、ここで三つの目的をあげています。

それは、
①イエスの近くにいること
②伝道すること
③悪霊を追い出すこと

の三つです。私たちは、もちろん使徒ではありません。でもこの三つから教えられるような気がします。

まず、第一にあげられたことは、キリストの近くにいることです。行動ではないのです。マルタとマリヤの姉妹の話があります。熱心にもてなしをする姉マルタに対して、妹のマリヤのように話を聞くことの方が大切なことだと言いました。
御言葉によって、また祈りによって深く交わることです。また同じ信者の仲間と共にいることも含まれるかも知れません。私には何もできないと卑下する必要はありません。イエス様と一緒にいて、イエス様のことを知ることこそ最も重要なことです。それなしにどんな奉仕もできないからです。

二つ目は、宣教です。宣教とは、イエス様のことを知らせること、伝道ですね。伝道というと難しく思えるかも知れません。しかし、まず神様がしてくださったことを感謝することです。そのことを示すことです。一番最初は、自分が神を信じていると言うことをはっきりと言うことでしょうか。その上で、キリストにある生き方を見てもらうことです。


三つ目の悪霊を追い出すことは、使徒たちにのみ与えら得れた権威かも知れません。現代でも悪霊を追い出すことがないとは言い切れませんが、少なくとも日本ではほとんどないと思います。そんな奇跡的なことでなくても神様のわざをすることはできます。

使徒たち (ペテロ)


使徒と言えば真っ先に出てくるのは、この人でしょう。福音書でも、一番最初に名前が挙げられています。本名はシモンですが、ペテロという名前をつけられました。『岩』という意味があるそうです。
揺るがない信仰の持ち主のように思えますが、イエス様に、『「たとえ皆あなたに躓いても私はつまずきません。」と言い、イエス様に鶏が三度鳴く前に「私を知らない」と言う』と宣告されました。その通りに、イエスを知らないと三度拒み、鶏の鳴き声を聞いて泣き崩れたと言うことです。その後復活したイエス様に会い、立ち直ります。そして、初代教会のリーダーとして活躍します。伝承によれば、ローマ皇帝ネロの迫害の時にローマで殉教したそうです。

(ヤコブとヨハネ)


次に出てくるヤコブとヨハネは兄弟です。この2人にはボアネレゲ、雷の子と言う名前がつけられたと言います。すごい名前をつけたものですね。この名前からするとかなり激しい性格のようです。それを示すエピソードがルカ9章に書かれています。

そして、ご自分の前に使いを送り出された。彼らは行ってサマリア人の村に入り、イエスのために備えをした。
しかし、イエスが御顔をエルサレムに向けて進んでおられたので、サマリア人はイエスを受け入れなかった。
弟子のヤコブとヨハネが、これを見て言った。「主よ。私たちが天から火を下して、彼らを焼き滅ぼしましょうか。」
しかし、イエスは振り向いて二人を叱られた。
(ルカの福音書9:52~55)

『焼き滅ぼしましょうか』とはすごいことを言いますね。しかし、彼らも変えられて行きます。このヨハネは、ヨハネの手紙、ヨハネの黙示録を書くことになるのですが、特にヨハネの手紙は『愛の手紙』ともよばれています。

愛する者たち。私たちは互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。愛がある者はみな神から生まれ、神を知っています。
愛のない者は神を知りません。神は愛だからです。
神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちにいのちを得させてくださいました。それによって神の愛が私たちに示されたのです。
私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、宥めのささげ物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。
(ヨハネの手紙第Ⅰ4:7~10)

このようなことをいえるほど、変えられたヨハネは、『愛の使徒』とも呼ばれています。

(その他の弟子たち)


それに続く弟子たちについては、詳しくわかりません。
アンデレは、ペテロの兄弟のようです。ヨハネの福音書によれば、先にイエスに会い、ペテロをイエスの元に連れて行ったようです。ここから、人々をイエス様に連れて行く模範のように考えている人もいます。
トマスは、疑い深い人と言われています。復活したイエス様が弟子たちに現れたとき、トマスはそこにいませんでした。
それで、『「私は、その手に釘の跡を見て、釘の跡に指を入れ、その脇腹に手を入れてみなければ、決して信じません」(ヨハネ20:25)』と言いました。そのあとイエス様が現れ、トマスは帰られます。伝承では、南インドまで伝道したと言われていますが、歴史的な裏付けはありません。でも、何年か前、インドから来たクリスチャンが、そのことを確信を持って語っていたことを聞きました。

(ユダ)


最後に出てくるのがイスカリオテのユダです。福音書は、必ず『このユダがイエスを裏切ったのである』と紹介しています。
なぜ裏切ったのかはよくわからないです。一番考えられるのは、イエス様を政治的なメシアと考えていて、それと違うので絶望したというもの。中には、政治的に決起することを促すためにユダヤ人に明け渡したら、黙ってつかまってしまってびっくりして自殺してしまったというのもあります。十分に考えられることですが、本当のところはわかりません。
もう一つわからないのは、そういうユダをなぜ選んだかと言うことです。他の弟子たちは、最後まで気がつかなかったようですが、イエス様にはわかっていたようです。でもなぜあえて選んだのかわかりません。しかし、一つ確かなことは、最後まで悔い改めの機会を与えようとしていたことです。もし後悔して自殺する道を選ばず、ペテロのようにイエス様の元の戻ることができたら必ず許されていたと思います。しかし、彼は残念ながらそれを選ばなかったのです。

(パウロ)


12使徒ではないですが、他にも使徒と呼ばれる人はいます。特に有名なのはパウロです。パウロは最初、クリスチャンたちを殺そうとすることに熱心でした。しかし、イエス様に出会い変えられたのです。その後本当に大きな大きな働きをするようになります。福音書の後にある「使徒の働き」の半分以上がパウロの働きについて書かれているのです。

神が私たちを選んでくださった



いろいろな使徒たちを見てきました。最後に考えておきたいことは、これらの人々は、エス様によって選ばれたということです。立派な人たちばかりでなかったことはわかりますね。それでも選んでくださったのです。ヨハネの福音書には次のように書かれています。

あなたがたがわたしを選んだのではなく、わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命しました。それは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るようになるため、また、あなたがたがわたしの名によって父に求めるものをすべて、父が与えてくださるようになるためです。(ヨハネの福音書15:16)

イエス様は、使徒たちばかりでなく、私たちをも選んでくださいました。
入学試験や入社試験なら優秀な人から合格させていくでしょうが、神様の考えは違うようです。しかし、私たちは選ばれたからここにいるのです。そのことを感謝しましょう。そして、使徒たちが変えられたように、私たちをも変えてくださるに違いありません。

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